みんな限界?

 日本の戦後を支えてきた製造業の先行きが暗く、ITには大分乗り遅れてしまっていて、国内でしか稼げていない金融や広告業も外資にシェアを奪われつつあり、農業などの規制産業は過保護で骨抜き。
若者たちは自分たちの将来を保留したいがためか、シニア層は若いときに信じた終身雇用の夢が覚めたのか、どちらも非正規雇用が大幅に増加しています。
それでなくとも、アジアの安い労働力と、AIやロボットに多くの仕事は奪われていくでしょう。
 
 そこへ来て労働時間を少なくしろと言う。私は労働時間の規制強化は、全面的に反対というわけではありません。断れない人の善意の上に成り立っているビジネスがあるのが現状ですので、それは無くさないと駄目だと思うし、そんなビジネスはそもそも長く続かないと思うのです。
それよりも将来を担う若者たちが自分のキャリアを自分で考えられているのかが不安です。多くの人が20代で社会人になり仕事を始め、30代、40代と求められる仕事が量から質になっていく。(食べ物の好みがそうなっていくように。)
 
 新社会人の頃に上司から言われたのをよく覚えています。「30代、40代になれば、20代の頃と同じようには働けない。20代の頃の頑張りが、自分の頑張りの上限を決めるよと。」
今の若者は知っているのでしょうか?20代のときに頑張っておかないと、あまり明るくない未来が待ってるよということを。
 
 私は店舗運営関連のビジネスを長くやってきました。飲食業、美容業、花屋などもやりました。その経験から言うと、彼らの多くが自分の将来についての情報を与えられておらず、将来どのように生活していくかをあまり考えていません。何故かと言うと、誰からも「将来のことを考えろ」と言われるキッカケが無かったからだとおもいます。飲食業などを経営する人にとって、自分が雇用している若者に将来を考えさせることは、せっかく雇った人を辞めさせるきっかけになる可能性があるため避けたがります。
 
 自分の将来の為に頑張っている若者は一握りの人であって、殆どの人は「今が良ければ良い」の思想でしかありません。都会に住む、高所得者、知識階級の人は、「そんなこと無い、自分の通っているレストランの料理人は大した若者だ」っていうけど、そういう人たちが行っている都心のレストランで働いている若者は意識が高い一握りの集団なのです。
 
 若者が、あまり明るくない未来に対して盲目的になっている中で、労働時間の規制や社会への関心を失うことに繋がる報道は、もはや誰かの陰謀ではないかと思っています(笑)。日本の国力が弱くなることで得する誰かがいるのでしょう。
もしくは、リセットした先にしか未来が無いと信じている人たちか。
 

ピーター・フランクル

朝、駅への道すがら彼とすれ違いました。実物を見るのは初めてです。
彼を見てふと思い出したは「大学への数学」という高校生のときに少しかじっていた雑誌です。大学へのと言ってるくせに、大学受験レベルを超えた問題が掲載されており、数学マニアの高校生しか読んでいないだろう雑誌なんです。まだ、あるかなと思い調べて見たら、未だなお現役でちょうど創刊60年らしい。こんな雑誌がそんなに続くなんて、すごいですね。世の中捨てたもんじゃない。

 

月刊「大学への数学」

 

この雑誌にピーター・フランクルからの「宿題」ってコーナーがあって、その問題の回答を読者が投稿する仕組みになっている。ただでさえ難しい問題ばかり載っているのに、その「宿題」はとんでもなく難しく、当然に投稿したことはない。。ただ、高校のクラスメートたちが休み時間などに解法を競ったりしていて、自然と私も話題に混じっていました。(ちなみに、そのときにいた二人は大学のセンセイになっており、あの時から違ってたのかな。)

 

小学生の時から、たくさんのことを暗記したり時間内に多くの問題をこなすっていうことがあまり得意でなかったけれど、難しい1問を何日もかけて解くっていうのはゲームのようで楽しいなと思った記憶があります。

 

社会に出てから、とくに会社を経営しだしてからは、答えが中々出ない問題を毎日のように問いている感じです。昔はそういうのが好きだったのになあ、いまはちょっと憂鬱だったりします。

 

「難しい問題を楽しく出題する」ってことが彼のすごさだったんですね。

 

 

 やっぱり、彼の門下生が育ってるんですね。

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